『おぼっちゃまくん』のコンテを秘書みなぼんに読ませてきた。
最初から最後まで笑っていた。
昔より濃密で、テンポも良くなっていると言ってくれた。
夜に担当編集者に読ませる。
それから茶魔語をどこに入れるか考えねばならないので、
結局まだコンテは終わってない。
それにしても、60歳過ぎてパワフルなギャグ漫画が描けるとは
思わなかった。
『ゴーマニズム宣言』を描きだしてヒットしたとき、もうこれで
小林よしのりはギャグ漫画は描けないだろうと言われた。
わし自身も年齢的に、もう『おぼっちゃまくん』は不可能だと
思い込んでいたし、次はやなせたかしの「アンパンマン」の
ような、幼児向けのほのぼのユーモア漫画に転向しようと
考えていた。
だがその日はもっと先のようだ。
まだわしは30歳代の延長の活力で、『おぼっちゃまくん』が
描ける。
そして連載当時から30年経つと、時代が格差社会になり、
貧富の差が極端に拡大したため、「おぼっちゃまくん」と
「貧ぼっちゃま」がもっと信ぴょう性を帯びて動かせるように
なっていた。
全く不思議である。